悪いものから遠ざかる

すべてを吟味して、良いものを大事にしなさい。あらゆる悪いものから遠ざかりなさい。（Iテサロニケ 5:21,22 - 新共同訳聖書）

Test everything. Hold on to the good. Avoid every kind of evil.（Thessalonians1 5:21,22, New International Version）

良いもの、悪いものを吟味するときに、どのようにそれが良いか悪いかを判断すればいいでしょうか？

自分が良くなるために、良いものを大事にして、悪いものから遠ざかるというのは、別にクリスチャンではなくてもいろんな人がいろんなところで実践しているものだと思います。悪いことを知っていて、離れないでずっとやっているというのは、心の中では実はそんなに悪いことではないと思っているからで、そういったときの判断からすれば、悪いと思っていることを止めるともっと悪いことが来るから…という基準になっていることが多いのではないでしょうか。そして当然ながら、何が良くて、何が悪いかもわからないことが多いでしょう。たまには良いと思ってやったことが悪くなる…なんてことがあります。
何が良くて、何が悪いことなのか。酒が体に悪いから、タバコが悪いから、睡眠不足が云々なんて、言うことが出来ても実際にそれが本当に悪いのかはその人次第であって、場合によってはしなければいけない重要なものであったりすることもあるわけです（だからと言って酒やタバコ、夜更かしを肯定しているわけでもありませんが）。
おそらく、この世の中で、善か悪かということを考えれば、善なるものは神様しか居なく、他は総じて悪いものを少なからず持っているということになるでしょう。究極的には、世的なものから離れて、神様に従うというメッセージでもあります。
しかしながら、善なるものとして神様に従いますと、世にあっても恵みによってさまざまなもの、さまざまな名誉、またお金なども与えられます。これらは世的なものだから悪いものなのでしょうか？。神様が恵みによって与えてくださるこれらのものは、自分のモノとしてしまえば神様から離れる材料となる悪いものになるかもしれませんが、神様の恵みとして受け取れば本当に良いものであるということもあります。むしろ、それらのものが無ければ、今の世の中ではどのように生活できるでしょうか？
『あらゆる悪いものから遠ざかりなさい』という御言葉は、厭世的なものではなく、その前にある『良いものを大事にする』結果なのではないでしょうか。そして、その良いものとは、神様から恵みによって与えられるものであって、悪いものは自分自身のものとして抱え込んでしまっているもの、すなわち、欲にあるもの、自慢、誰にも話せない悩み、不満、憤りなどではないでしょうか。実際、これらの自分自身のものとして抱え込んだものを手放したときに、それが無くなったからといって悲しむのは一瞬で、なんら支障のない生活が送れるでしょうし、むしろ素晴らしいほどの開放感を得る事の方が多いのではないでしょうか。
Iテサロニケのこの節のの前に当たる、5:19,20には、次のように書かれています。
““霊””の火を消してはいけません。預言を軽んじてはいけません。（Iテサロニケ 5:19,20 - 新共同訳聖書）
つまり、この『霊』こそ、もっとも良いもので、また、預言（予言ではない）や神様からの信託が示すものがこの聖霊であるわけです。そこを良いものとして照らし合わせてみると、悪いものはいわゆる『モノ』ではなくて、
肉の業は明らかです。それは、姦淫、わいせつ、好色、偶像礼拝、魔術、敵意、争い、そねみ、怒り、利己心、不和、仲間争い、ねたみ、泥酔、酒宴、その他このたぐいのものです。以前言っておいたように、ここでも前もって言いますが、このようなことを行う者は、神の国を受け継ぐことはできません。（ガラテヤ 5:19-21 - 新共同訳聖書）
と言ったようなことが悪いものなのではないでしょうか。そして、良いものとは、
これに対して、霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制です。これらを禁じる掟はありません。（ガラテヤ 5:22,23 - 新共同訳聖書）
ということになります。これらに準ずるものは良いものということになるでしょう。
よいもの、悪いものの判断は、成人であれば多少間違いはあったとしても出来なくは無いでしょうし、自身にある良心との会話になります。悪いものから遠ざかることが出来れば、当然良くなっていきます。自分もそのようにありたいなぁと思います。