The discretion of a man deferreth his anger

; and it is his glory to pass over a transgression (Prov. 19:11 KJV) - このブログは基本的に画像処理やRTMなど技術に関することを書き連ねていきます。

Lattice表現をQ-IVで掛けると

林の数量化IV類(QIV)、と言うモノがありまして、これは非計量データ(実際には値としてちゃんと計量データに均してるので、間接的には計量なんだけど)に対して、各データ点の間の親和度を基に、各データ点の近さ関係をn次元の空間に投影する、と言うのが有ります。統計数理研究所の所長を務められた林知己夫先生が、数量化理論について纏められた中の、IV類、と言う事なんですが、英語で書くとQuantification method IVで、こっちよりもCorresponding Theoryなんて言う方が向こうでは通りが良いと言う、名前的にちょっと残念?でも有名な手法です。また、QIVは、多次元尺度構成法(Multi Dimensional Scaling - MDS)の非計量データに対する扱いとも言えるもので、やり方も線形二乗フィッティングを行列の固有値を用いて計算する、と言うモノです。また、数量化III類に分類されるだろう主成分分析とも形が似ていて、その点からもこのQIVは『主座標分析』なんて呼ばれ方もします。
で、なんでこれを引き合いに出したか、と言うと、ネットワークの構造と、ノード位置の関係をグラフィカルに表せる。と言う事なんですね。自分の研究の1つでもあるAssociated Keyword SpaceはこのQIVに対して非線形カーネルを用いたクラスタリング、とも言えるんですが、QIVは線形的に扱ってるので、纏まりの強さは弱いものの、トポロジーを無視したとすると(座標軸変換を行えば)一意に決定出来る、と言う強みがあります。ネットワークのノードの配置はコレ!と言おうと思えば言える素性の良い代物、と言うことです。
すると、画像もネットワークみたいに出来るんじゃないの?と言う仮定が出来そうです。画像は2次元のLatticeの構造になってますから、とりあえず下の形で置いてみました。

2次元Latticeで、隣合うデータに対して『繋がってますよ』と言う意味で値を1与えておくようにします。図では4x4のLatticeですが、QIVを掛ける時に、もうちょっと大きく出来るかなと思って、10x10を今回は掛けてみました。
QIVの式は、http://ibisforest.org/index.php?%E6%95%B0%E9%87%8F%E5%8C%964%E9%A1%9E を参照してください(数量化4類 - 機械学習の「朱鷺の杜Wiki」)
で、掛けてみた結果です。

んー…なんか歪んでる…
多分なんですが、本来正しい位置が出るパターンのやつは、全体に対しての距離が取れていれば、と言う話なんですよね…。この場合、近傍しか無いので、端っこに行くほど関係が少なくなる→伝播するだろうノード間の強さみたいなのが無い→外側が強く引き合い過ぎるようになる、と言う事なんだろうと思います。
この距離関係上手くプロット出来れば、このゆがみをすぐに治す事は出来るんだろうと思うんですが…。
まぁ、今回は試し運転なのでアレですが、出来ればこんな感じで、Image Registrationの方に応用して見たいなぁ…なんて思ったり。多分そんな研究他でもやってるんでしょうけど。Surveyはやってない。