The discretion of a man deferreth his anger

; and it is his glory to pass over a transgression (Prov. 19:11 KJV) - このブログは基本的に画像処理やRTMなど技術に関することを書き連ねていきます。

今までやっていたProjectのお話し(振り返り)

矢口です。

昨日夜に発生しました熊本での震度7地震は、本当にびっくりしました。家に全くテレビが無いので、テレビを見る機会は大体病院とかに行ったときくらいしかないわけですが、偶々、息子の発疹で救急病院に行った帰りの薬局で目にして、震度7というのを見て若干震えが来ました。

九州で被災されている方々には、早い復旧と元の生活に戻れますように心からお祈りいたします。

そんな中で、自分が3.11で実際に地震があった時から、この会津大学でどんなことがあって、どんなことをやってきたのか、何となく整理してみたいなと思いました。お恥ずかしいのですが、正直なところ『全く何1つ、貢献できていないんじゃないか』と言われてもどうしようもない状態であることを思います。

 3.11に被災した時は、実はまだ身分としては学生でした。会津震度5弱、個人宅の被害としては、本棚が落ちたくらいではありました。幸運だったのは、電気ガス水道全て万全だった地域に偶々いたということです。(会津若松市市内も、場所によって電気や水道が止まった。)それから、津波原発の事故があって、結局2万人の人が、震災関連死として死亡か行方不明である、ということになっています。

そんな中で、2011年4月から会津大学に着任して、最初にお声が掛かったのは、会津大としてのクライシスレスポンスに対する会議でした。その中で、放射線マップや、情報マッピング等をしたらどうか、と提案して、後輩と一緒にそれをすぐに作ってこんな感じですよと話してみましたが、結局放射線マップは推定による補完を含めたマップは『正確ではない』としてすぐに却下され、情報マッピングもなあなあですぐなくなってしまいました。

その後、Hack For Japanの関係で、会津で開催されたイベントで自分が持っているアルゴリズムを持ち寄って企画したりしながらやりました。それは、今のImagine社の鷲山さんと共に、福島県新地町にあった津波で流された写真をスキャンして、スキャンされたデータを画像の類似度を計算して球面に張り付ける『情報地球儀』というアルゴリズムをもってViewerと、その後もコミュニティの話題の発信に使えるものにしようとして、実際に現地に何度も赴いて作りました。これは2年くらい稼働しましたが、期間が終わると全部写真も大体捨てた感じになりました。

そのあとは、復興支援センターみたいな話と共に、東北経産局案件で、NTTデータとの共同研究で、県道等の道を車載カメラで撮影して、自動的に罅や孔などを検出するプロジェクトをやりました。成果としてはそんなに良好ではないですが、出始めのGoProを自分の車に2台ひっつけて県道走り回ったのもあります。

IBMの方とやったのは、Twitterの解析のお話し。IBMのBIツールを使用させてもらいながら、Twitterから評判解析ができるか云々のお話しを頂いたものの、これは正直なところBIツールの方向性と、我々が当初からやりたい全体の傾向の分析の問題、さらにはTwitter社の、このころからのクローリング制限の激化で、ドメインを絞り込めずに、あんまり良好な結果が出せなかったというのがあります。それでも、いくつかの可視化法について発表はしました。

NECとの共同研究に若干巻き込まれる形でやったのは、スマートスーパーのお話し。これがなんの復興支援に入るのか若干今でも疑問に思っているのですが、それでもまぁトレンドとなっている『スマートメーター』関係と客足の動線解析というところで組み込まれたのですが、この時は正直なところ他のプロジェクトでいっぱいいっぱいで、ほとんど参加できていません。

学生プロジェクトですが、NPO団体を立ち上げての種々のプロジェクト、『八重グルメ』はこれは会津の飲食店の広告Movieを作る話。そこから発展して、『セカイメシ』を福島県から委託受ける形になり、1年間学生とやりました。セカイメシは、県産素材で各国の料理のレシピを作るプロジェクト。とは言っても自分は途中で結婚とかもあり、チョコチョコ顔出す程度でサポーターでしたが。。。(韓国料理は提供しました。)

そして、今やっている福島医療福祉機器開発事業(震災・復興)での医療DBとインターフェースのお話し。これは本当にいいものが出来上がってきているんですが、開発費も結構な額になってるんですよね。1点モノではなくて、汎用的なものを作れば安く横展開できるんですが、とは言ってもトピックが救急なもんでね…。これは、今実際に災害地域に、iPadにアプリケーション突っ込んで持っていけば、データは溜まらなくてもちゃんとトリアージ判定とかにバリバリ使えるものなので、正直誰かそっちに持ってってくれんかねと言うレベル。

それと、県ロボット事業での今回のドローン。こっちは完全に異質だったもんで(もともと画像とデータ回り)、ドローン操縦とか構築とかの勉強に終始して、ようやく研究始まったようなところ…。

復興支援関係ないですが、JAXAのたんぽぽProjectにも名前が出ていますが、正直今は全然忙しくて、学生だけ出してる状況。(なのに、Dry Runのスケジュール出せとか鬼かほんまに)

ということで、何をやったかよりは愚痴ばかりな感じになってしまいましたが…。結構5年でガチャガチャやってはポイやってはポイ状態なので、そろそろProjectも終息して、腰を据えた研究やりたいなぁ…なんて思ってきています…。