The discretion of a man deferreth his anger

; and it is his glory to pass over a transgression (Prov. 19:11 KJV) - このブログは基本的に画像処理やRTMなど技術に関することを書き連ねていきます。

Drone操縦トレーニング

おはようございます。矢口です。

会津大学では自律制御システム研究所(ACSL)作成の国産ドローンである、Mini Surveyorを研究に使う予定で購入したわけですが、その辺で売ってるホビー用ドローンや、研究用ドローンと違って、こちらは産業用ということで、機体管理やらなにやらで非常に細かい規定がありまして、特にその操縦技術について、『ちゃんとホバリングやら何やらができないと出荷しない』という制限がかかっているので、3月末にその認定を受けるための操縦トレーニングに千葉に行ってきました。

このDrone操縦トレーニング、最近はJUIDAがトレーニングスクールに対して認定を出したり、どこぞの企業が廃校を訓練校にしようなんて動きも見せ始めていて、どちらかというとにわかに『ラジコンブーム』が到達した感があります。

www.drone.jp

uas-japan.org

ACSLでも、トレーニングの認定書を出しているんですが、一応ですが皆様、気を付けていただきたいのは、まだ『公的な認定』はありません。すべて『私的な認定』です。詰まる話、公的書類に『ドローン飛ばせますよ』という認定書を付けてそれなりにOKもらえるのは、国交省とちゃんとやり取りしているJUID系かACSLのものだけですよと。

まぁ、そんなこんなで、ACSLのトレーニングを入門、初級、中級と、ちょっとショートカット(入門編のトレーニングを自分のところで頑張った)する形で、『3日』かけて認定書をもらってきました。


TrainingYaguchi

 このトレーニング、ACSLのドローンを購入した法人さんは、2名まで無料で受けられるものとなっています。内容としては、

  • 入門編: シミュレータ(Real Flight)中のシングルローターヘリのホバリング3分間
  • 初級編: 訓練機(4発、FCはACSL製)でのホバリング3分間と上下動連続5回成功
  • 中級編: 実機(6発)での水平十字機動2回、垂直四角機動2回の成功

が検定メニューとなっています。

何故、こういうのが必要なのか?というと、DJIのPhantom3とか、非常にGPSもよく効いていて、飛ばしやすいですよね。誰でも飛ばせるという印象を持ちます。しかしながら、センサーが働かなくなるというのはよくある話で、墜落の原因の中でも非常に有力なものだったりします。

ビルの谷間はGPSの効きが悪く、また、風の強いところでは、下手すると気圧センサーの不具合で乱高下する、なんていう症状に見舞われることもあり、最悪ケースとして、『6軸センサー(加速度+ジャイロ)による制御(Stabilize Mode)』で飛ばす必要が出てくる、ということです。

そんな時に、ちゃんとプロポで操縦して飛ばす技術が必要になってくるのです。

そうなってくると、今度は、機体を見ながら適切にホバリングさせたり、戻したりという作業が必要になってきます。これが、割と近い位置(遠くても20m程度)ならば、割と目視で方向とかが分かりますので、操縦に熟練していれば何とか引き戻すことができたり、安全に着陸させることができるのですが…。100mも離れてたりすると、視力2.0でも全然見えません(汗。リアクションが分からないので、戻ってきているのかすらもわからないんですね。

しかも、風があります。風があるときにそういう状態になることは、墜落の危機を意味しますし、それが人のいるところでとなると、本当に危ないわけです。

ホビーユースなら、人のいないところで飛ばせばいいのですが、産業用、しかも検査用途となると、人のいるところでバリバリ使わなければいけないので、そういう意味で、これらの検定が必要、ということだそうです。

ともあれ、ものすごいしんどいトレーニングを積んで、認定を受けてきたので、会津大でMini Surveyorを飛ばすのも、あともうちょっと!ということになりました。

学祭とかでは、色々とデモフライトしたいと思いますので、ぜひ見に来てください。